新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女 [ファミ通クリアコミックス]
圧倒的画力で描かれる孤高の戦士・ハイランダーのファーンと、記憶を失っているガンナー少女・フレデリカと仲間たちの命がけの世界樹探索の日々!
アトラスが発売している、ダンジョンRPGシリーズの1作めを3DSでリメイクしたタイトル『新・世界樹の迷宮』の追加された部分を原作としたコミカライズです。
新・世界樹の迷宮はニンテンドーDSでアトラスから2007年に発売されたウィザードリィライクのダンジョンRPG・世界樹の迷宮1作めの3DSのリメイク作品にあたります。
最近、1作めのオリジナルについては、リマスター版がニンテンドースイッチにもリリースされたばかりです。
世界樹の迷宮I・II・III HD REMASTER- Switch
- 出版社/メーカー: アトラス
- 発売日: 2023/06/01
- メディア: CD-ROM
もともとこのゲームは、固定された主人公はおらず大本となっているウィザードリィと同様にギルドと呼ばれる施設で、冒険者をイチからクリエイトし、自分の好きなようにパーティを組み、世界樹と呼ばれる広大なダンジョンに最大5人パーティで潜り探索するというゲームです。
それを新・世界樹の迷宮は固定の5人のキャラを設定した、新たなリメイクモードが追加(オリジナル版もプレイ可能)されているタイトルで、この5人の仲間に於いての新たなやり取りが行われる、通常のRPGのようなタイトルと同じタイトルとして2013年にニンテンドー3DSに移植がされています。
その新・世界樹の迷宮のリメイク部分を元にコミカライズしたのがこの作品です。
新・世界樹の迷宮になってオリジナルから新たに追加された職業であるハイランダーの戦士が、主人公であるリンディス・ファーンです。(ゲームでも主人公の名前だけは固定されていない)
その他には、物語の核となる記憶喪失の少女である職業はガンナーのフレドリカ・アーヴィング、パーティの治療役兼ブレインとして活躍するメディックのサイモン・ヨーク、パーティのタンク役として守りを担うパラディンのラクーナ・シェルドン(女性)、サイモンの幼馴染であり慎重なサイモンとは正反対な楽天的な性格のアルケミストであるアーサー・チャールズ。
ファーンは元々、執政院からの命を受け、世界樹があるエトリアに単身訪れ、本来であれば一人で世界樹の探索を行う予定だったところ、ひょんなことから上記の4人とパーティを組み、少しの油断で命を落としかねない世界樹に挑んでいくことになります。
この作品のキモは、やはり作画担当の木村明広氏による描き込まれた世界樹シリーズの空気感の再現と、迫力あるバトルシーンにあると言えるでしょう。
この作品は全2巻で、世界樹の迷宮は普通にゲームをやると階層だけでも30Fまであるゲームとなっており、新・世界樹の迷宮については更に追加されたダンジョンもあるため、ゲームの世界観をすべて描ききるには到底尺が足りないタイトルとなっています。
そのため、ストーリーを追うというよりは、本来であれば孤高の戦士であり、仲間との馴れ合いを行わないファーンが、死線をともにしたパーティメンバーに次第に心を開いていくところと、その中で特に、記憶喪失の謎の少女、フレデリカとの信頼関係を構築していくところを重点的に描いているタイトルとなっています。
この手のゲームのコミカライズにはよくある展開で
出会い→パーティとしての冒険描写→徐々に絆を深めていく→同じ人間のサイモンと確執のあるメンバーのいる別パーティとの衝突→強大な敵に一丸となって立ち向かい勝利
このような流れが2巻の間で展開されていき、最終的には俺たちの戦いはまだ始まったばかりだ!的な終わり方をする作品になっています。
正直、ゲームの方の話は序盤の話ぐらいまでしか再現されておらず、入り口レベルでのストーリーしか進んでいない状況ではありますが、こういうコミカライズであろうことは容易に想像がつくので、あとはオリジナルのゲームをやって補完していってねという流れなのかなと思います。
スイッチで最近発売されたリマスターは、残念ながらこの新の方は収録がありませんが、世界樹の迷宮というタイトルの無慈悲さがしっかり味わえるリマスターとなっていますので、この作品を見て世界樹の迷宮に興味が出れば、スイッチのリマスター版を購入してみることもオススメしたいと思います。
ただ、個人的にはやはり木村氏の絵で最後までこの5人の物語を描ききったのも見てみたいという願望があるのも間違い有りません。まぁ絶対に無理でしょうけれど(苦笑
個人的評価(5段階) ★4
新・世界樹の迷宮 ミレニアムの少女 (2) (ファミ通クリアコミックス)
- 出版社/メーカー: KADOKAWA
- 発売日: 2015/04/15
- メディア: Kindle版
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