くらいあの子としたいこと 1巻 [ドラゴンコミックスエイジ]
人付き合いが苦手な二人が、学級委員を通して徐々に共に成長していく物語
碇マナツによるコメディである『くらいあの子としたいこと』の1巻です。
タイトルが若干深読みさせるような漫画ですが、中身は健全なコメディです。
高校2年生になる田端蓮は、去年までは親しい友だちが一人もいなかったいわばぼっち。
高校2年になったことをきっかけに、新しいクラスでは自分を変えたいと、人としゃべること自体が苦手ながらも、男女一人ずつ選出しなければならないクラスの学級委員に立候補します。
彼の一大決心の行動とかぶさるように、もうひとりクラスの学級委員として立候補したのが、蓮の後ろに座る、目つきが不健康そうで暗い雰囲気を漂わせるクールビューティーな女の子・佐々木透子。
蓮が挙動不審で落ち着きがないぼっちタイプなのに対して、透子は人を寄せ付けない雰囲気を漂わせるタイプのぼっちとなっていて、タイプは違うながらも二人共人と話すことが苦手というところは似た者同士です。
表情が暗く、またその表情を大きく崩すこともない透子への付き合い方に、最初は戸惑う蓮。
透子の機嫌を損ねていないかと、自分が行ったことに対して過剰なまでにフォローを入れる蓮ですが、
透子はどこ吹く風といった感じで、最初の距離感は非常に微妙なものとなっています。
しかし、二人で学級委員の仕事をしていくうちに、お互いのやりたいこと、考えていることがそれぞれわかるようになっていき、蓮は若干の自信を、そして透子は表情が少しづつ柔らかくなっていくのでした。
二人共人付き合いが苦手ということで、そのぎこちなさはみているこちらがもどかしいですが、その中でも本当に少しずつではあるものの、二人の距離感は縮まっていき、お互いの良いところをそれぞれ認識できるようになっていきます。
学級委員の仕事をこなすことで、クラスメイトからの信頼が徐々に得られていき、蓮も透子も徐々にクラスメイトとコミュニケーションを取れるようになっていきます。
二人の距離感については1巻ということで、まだまだ踏み込んだものになってはいませんが、蓮も自分が変わるために色々と努力をしている描写がふんだんに出てくるので好感の持てる主人公となっています。
また、透子は暗い雰囲気ではあるものの、基本は美人でスタイルもかなり良い女の子として描かれています。
人間的に成長していく二人に、今度は恋心などが芽生えていくのか。
現時点ではそのような雰囲気はないため、コメディとしていますが、今後ラブコメに発展していくことを期待したい所です。
個人的評価(5段階) ★5
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