ドラゴン、家を買う 1巻 [ブレイドコミックス]
原作:多貫カヲ 漫画:絢薔子
威厳も強さも持たない臆病ドラゴン・レティのドタバタ家探しコメディ!
アニメ化もされた、ファンタジー世界の最強種の一角・ドラゴンの家探しコメディである『ドラゴン、家を買う』の1巻です。
ファンタジーの世界において、作品によっては伝説の存在や人間を滅ぼすぐらいの力を持つ設定になっていることも多いドラゴン。
まさにファンタジーの定番として存在するドラゴンのレティがこの物語の主人公。
ドラゴンと言えば、上記のように規格外の力を持つことも珍しくない生物ですが、このレティにおいてはレベルこそ52あるものの、すばやさ以外のステータスが軒並み低く、自身でなぜドラゴンに生まれたのかということを嘆くぐらいの弱さです。
ある日、卵番をしている時にうっかり眠ってしまい、狩人に卵を奪われてしまったばかりか、奪った狩人は特定しているにも関わらず、狩人にすら戦いを挑めないレティ。
あまりの息子のヘタレぶりに呆れた親ドラゴンは、レティを勘当してしまいます。
親元で暮らしていたレティは勘当されてしまったことで、住む家が無くなってしまったため、自分の終の住み処となる安全な家を探し始めるのです。
貧弱なドラゴンといえども、ドラゴンはドラゴン。
家探しをする途中で、ハーピーやゴブリンといった明らかにファンタジー世界ではドラゴンから比べればはるか下位種に当たるようなモンスターにすら捉えられ、慰められる始末。
また、道中は素材だけは凄まじく価値があるドラゴンのレティを狩ろうと勇者パーティまでがちょっかいを出してきます。
こんな状況で、やはり案の定というか、住み処がかんたんに見つかるということはなく、レティの家探しは全くの五里霧中。
その性格ゆえに、今後の家探しも難航すると思われたレティのもとに、半魚人から一つの希望有る情報が。
それが、非常に腕のいいエルフの建築士がいるということ。
ディアリアというそのエルフの建築士は、半魚人の家も建ててくれたといいます。
前述の勇者パーティに絡まれていた時に、レティが助けてもらったその人が、ディアリアその人。
ディアリアはレティに名刺を渡しますが、その肩書には一級建築士の他に魔王という肩書も有るのでした。
そんな一癖も二癖もある建築士兼魔王のディアリアと、人間が住居を探すように物件巡りを開始します。
すでに廃墟になった罠だらけの神殿のような建物や、アンデッド種が大量に住まう、人間でいう事故物件なものも紹介されたりと、レティは散々な目にあいます。
結局、ディアリアに紹介された既存物件はどれも問題有りで、臆病なレティには住むことができないようなものばかりでした。
そこでレティはディアリアの提案で、自分で家を作ることにします。まさにDIY。
グライアイ三姉妹(千年以上生きている老婆)という家具や調度品などを扱っているバイヤーの店で、様々な家具を買い、ディアリアに言われるまま家を建てることにします。
当然レティ一人では建てられないので、ディアリアは魔王である自分の立場を利用して、様々な種族に応援を要請し、なんだかんだでレティの家がついにできあがります。
ようやく自分の気に入った住み処を作れた…とレティが安心したのもつかの間、レティの家にはディアリアの部下も一緒に住まうことになり、レティの家は対外的にドラゴンがいるダンジョンとして喧伝されることとなり、勇者パーティなどが来訪する家になってしまいます。
レティ自体は弱いのは相変わらずですが、ディアリアが用意した従業員や他種族についてはドラゴンであるレティを崇拝しており、魔王直属の部下のモンスターたちが勝手に勇者パーティを倒してくれる状態に。
最終的にレティは何もしなくても優秀な部下がいるこの家は、ダンジョンとして人間の間でのホットなスポットとなってしまうのでした。
そして実力もないレティは炎竜王の名前がついてしまうのでした。
その状況に耐えかねたレティは結局、建ててもらった家を放棄。
改めて、面白がっているディアリアとともに、果てしなき家探しの旅を続けることになるのでした。
ヘタレドラゴンレティがなかなか可愛く、また魔王ディアリアが絶対に、困っている様子を見て楽しむドS魔王なので、今後もこのドタバタ住み処探しの度はまだまだ続くのだと思われます。
最近完結したようですので、これ以降の巻も機会があれば読んでみたいと思います。
個人的評価(5段階) ★4
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