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2017/01/18  ナナマルサンバツ 8巻 [角川コミックス・エース]




漫画 杉基イクラ


夏が来る…部活・夏といえば…そう。合宿!


例会が行われたのは6月。そして、次に来る季節は真夏。
夏休み・部活動漫画の鉄板と言えば…そう合宿です!


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現実世界では、どこまで定番なのかはわかりませんが、夏・部活動といえば
マンガ好きには、大体の人が連想すると思われるぐらいに鉄板なイベント
夏合宿が、今回の話のキモとなります。


合宿を行う地は、元々笹島が居た故郷である京都。
学人は標準語を喋りますが、迅子は関西弁を使うのはこの設定からです。
もっとも、自発的に選んだというよりは、同好会は立場が学校内で弱く
予算を回してもらえなかったため、笹島兄妹の地元に落ち着いたようですが…。


文蔵高校があるのは埼玉ということで、埼玉から京都は結構な移動時間がかかります。
合宿というと、ちょっとした旅行気分ではありますが、学人はその移動の電車内でも
クイズを行うという、かなりのガチ合宿になりそうです。


前巻の終わりから続いていた、深見兄妹によるガチンコクイズ対決は
ブランクがありながらも、クイズの実力をいかんなく発揮する誠司に対して
運もありながらも、一問だけ真理が正解する形となり、一問でも正解できれば
真理の勝ちと言った誠司の提案通り、真理が勝つ形で幕を閉じました。


ただ、風邪を引いているにも関わらず集中しすぎた真理は、その後寝込んでしまいましたが…。
誠司は、完全にシスコンであることがわかりましたw


話を戻して、京都に着くまでの車内では、部員それぞれで作問して持ち寄ったクイズを
部内で、クイズ問題として出し合うというもの。成績がそれぞれ悪かったものには
簡単な罰ゲーム。逆に、作問者以外の正解率が30%を切った場合は作問者が罰ゲームというルール。


識が作った問題は、識的には簡単だと思ったものの、いざ問題を出してみると
真理も井上もわからないと言った問題が多発。今まで答える側に回っていたものの
作問してみると、これが案外難しい。問題を作る人についても、新たに尊敬の念を覚える識でした。
作問して見えてくるクイズの奥深さという視点も面白いですね。


京都につくと、笹島の旧知と思われる人が迎えに来ています。
彼らも、笹島と同じクイズバカ…それも、テレビでクイズ番組が全盛だった時代に
クイズ研究会を結成して、問題を解答する側として立っていた猛者とのこと。


その時に、このナナマルサンバツの1巻の記事でも触れた
昔のおそらくアメリカ横断ウルトラクイズの裏話的な話があります。
あの頃に、クイズにハマっていた人しか知らない「熱」が、当時確かにあったのです。


数ある問題の中で、人々の記憶にいつまでも残り続ける
名作と呼ばれる問題があり、その中の一つに

ペンギンはしもやけになる?○か×か?


というクイズがあったそうです。上記のリンク先で作問の裏話があるのですがこれが面白い。
この問題が出された大会では、北極圏から南極圏まで移動する企画だったために、このような問題が作問されたとのこと。
しかし、この問題はなんと問題が最初にありきで、答えは作問時点で分かっていなかったそうです。
作問した後に、動物学者に話を聞いて、答えが確定したんだとか。いやはや、面白すぎる話ですよね。


当時のクイズ番組は、参加する視聴者とクイズ番組を作問する側の知識バトルだったというフシがあったようで
やはり、これは当時クイズ番組を好んで見ていなければ、わからないことだと思います。


識達は、作中の年齢からして1995~6年生まれになりそうですので、クイズブームが
下火になりつつあった時代に生まれているわけで、彼らのクイズにかける情熱は知らないはずです。
ただ、その体験談などを語っている人々を見ると、昔は昔で良い時代だったんだなぁと思えます。


彼らの体験談は、おそらく監修をしている昔の実際のクイズ番組に大きく関わっていた
人々の実体験になるのでしょう。当時のクイズブームを知る人には、この巻の記載は興味深いですね。


合宿では、クイズもそうですが、何故か百人一首カルタを笹島旧知の地元人と一緒にすることに。
百人一首…ちはやふるなどで有名になったので、ご存知の方も多いかと思いますが、確かに
競技かるたは、競技クイズと似たような戦略性があります。


百人一首には「決まり字」と呼ばれる、札が取れる確定ポイントがあります。
1字決まりから始まって最大6字決まりまであります。
ここまで読まれれば札が取れる…これは、すなわちここまで読まれれば
解答が確定する確定ポイントがあるクイズも同じようなものと考えられるということです。


百人一首の決まり字で有名なのは、おそらく1字決まりの「むすめふさほせ」と
呼ばれるものでしょう。この7つの文字から始まる句は一首しかないので
このどれかが読まれれば、一字読まれただけで即取ることが出来ます。


しかし、この決まり字というのは、厳密に言えば、変動するものです。
百人一首で一番多いのは、「あ」から始まる句ですが、一首だけでなくとも
その文字から始まる句が少ないという文字も存在するのです。


例えば「い」で始まる句は、今来むと…、今はただ…、いにしえの…、の
3首です。いにまで読まれれば確定するので、いには2字決まり。
いまこか、いまはと読まれるとこれまた確定するので、残り二首は3字決まりとなります。


しかし、一番最初にもし、今はただ…の句が読まれたらどうでしょうか?
すると、残り「い」で始まる札は2種。すると、今来むと…も2字決まりに変化します。
句が進んで、いずれかの「い」の札が読まれたら、残りの「い」は1字決まりになるのです。


百人一首は、決まり字がこのように変わるので、実は一瞬たりとも気が抜けないものになります。
耳で読まれたものを聞いて反応するという流れは、まさにクイズと合い通じるものがあり
学人が、百人一首かるたを合宿に使ったのは、合理的な理由があってということになります。


合宿はかるただけではなく、まだまだ続きます。関西のクイズプレイヤーと思われる
新たなキャラが出て来て次巻へ…。夏合宿は鉄板のイベントですが、クイズ好きにはなかなか
面白いことが書いてある巻ですね。百人一首は昔、競技かるたをかじったことがあるのですが
また、ちょっとやってみたいと思わせてくれるような描写でもありました。


恒例の巻末クイズは、京都に関するクイズ。
後の祭りは、祇園祭が語源という説があるのぐらいしか知りませんでしたw


個人的評価(5段階) ★5


1巻の感想はこちらから
2巻の感想はこちらから
3巻の感想はこちらから
4巻の感想はこちらから
5巻の感想はこちらから
6巻の感想はこちらから
7巻の感想はこちらから


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