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2016/12/25  甘城ブリリアントパーク 5巻 [ドラゴンコミックスエイジ]




原作 賀東招二
作画 吉岡公威
キャラクター原案 なかじまゆか


めくるめく急展開。話はいよいよクライマックスへ!


前巻はほのぼのとした話だった甘ブリですが、今巻では話が急展開を見せます。

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前巻からの繋がりがなく、この巻は物語の発展の起点となる話が一話目。


ある日の午後、普段はパークの仕事にかかりっきりの西也が
珍しくオフがほしいと、秘書役であるいすずに告げます。


秘書的に、建前としては支配人のスケジュールを把握しておきたい(本音は…おわかりですね?)
いすずは、どこに行くのかと西也に聞きますが…。西也から返ってくる答えはどうにも
要領を得ず歯切れが悪い。ヤボ用とだけ西也は伝えます。


行動の怪しさに不審感を抱くいすず。そこで、彼女も極秘で西也の後をつけることにします。
なかなかに下世話な展開とも言えますが、これも惚れた弱みでしょうか。
尾行中に、午後オフだった椎菜にばったり出くわし、二人で後をつけることに。


そんな二人に微塵も気づくこと無く、西也が向かった先はとあるビジネスビル。
そういった話とは、現実的な意味で似つかわしくない場所ではありますが…。


そこで、西也の姿を見つけて駆け寄ってくる女の子が登場。
年は同じぐらいと思われる、その女の子は早紀と西也に呼ばれています。
会った瞬間から、西也にくっついてくるほど、西也と親しそうです。


その様子を見て、気が気でないのがいすず。
いすずの動揺を見て、つられて椎菜も動揺してしまいます。


二人はビルの中の喫茶店に入り、何やら話をしています。
近くの席に座り、その内容に耳をそばだてる下世話な二人。


しかし、いすず達の想像とは違い、どうやら二人は恋人とかそんな関係ではない様子。
早紀は、西也の父…実は離婚していた父の再婚相手の連れ子ということだそうです。
つまり義妹。血のつながりは無いものの、世間一般には家族とみなされる間柄です。


暫く一緒に住んでいた時期があったものの、現在は別々に暮らしています。
そこには、西也の複雑な家庭事情がありました。


まず、元々の西也の本名は久武西也(きゅうぶせいや)
しかし、彼が児玉誠也として活躍していた芸能界を引退する際に
悪意のある人間が、西也の本名をネットでばらしてしまったのです。


その結果、西也は母方の旧姓である可児江を現在は名乗っているとのことです。
しかし、西也にとっては、その実の両親は芸能界引退間際の一番苦しい時期に
手を差し伸べず助けてくれなかったことから、二人のことを忌み嫌っているようです。


今回の早紀の誘いは、その西也の父から、一緒に飯でも食べないかという話を
早紀を通じて打診してきたという流れのようです。


早紀(というよりは、西也の父)の提案にあからさまな嫌悪感を示し、断るときっぱり告げる西也。
今更父親ヅラをする西也の父に、最初は怒りの矛先が向きますが、そんな話から、何故か
甘ブリの事を考え始める西也がいるのでした。そのことに自分で驚く西也。


甘ブリの経営のことを考えていたら、どうでも良くなったのか、西也は吹っ切れた顔をして
父親などどうでもいいと早紀に告げるのでした。そして、甘ブリの面々が今は家族以上に
大切な仲間になっているということを、何の迷いもなく早紀にいうのでした。


何の心構えもなく、重たい話を聴いてしまったいすずと椎菜は自己嫌悪に陥ります。
そして、改めて西也の甘ブリにかける想いを聴いたいすずは、彼を今まで以上に
サポートしていかなければならないと、固く決意するのでした。


その結果、今まで可児江くんと呼んでいた名前を西也くんと改めることに。
ナルシストな西也でも、女性の心の移り変わりぐらいはわかるということで
どうにも、気恥ずかしく思いつつも、より今までより強固な絆が二人に生まれるのでした。


二人の仲が、少しだけ前進したところで、今度はもう一人のヒロインの
この物語の中心人物であるラティファ姫に話が変わっていきます。


相も変わらず、パーク内で静養しているラティファ。
人からもらうアムニスで生き永らえている彼女が、突然西也との話中に倒れてしまいます。


今までも何度かあったこの現象。何とか今まで事なきを得ていますが
いすずによれば、この状況は今年になって増えているということ。
入場者数は増えて、以前よりアムニスが多く手に入る状況のはずなのになぜ…。


ここからは、ラティファの呪いをめぐり、話が急展開していきます。
彼女の身体にある呪いの秘密。突如起こったリセット。
ただし、今まで肉体と記憶のリセットが同時に行われていたのに、記憶だけがリセットされるイレギュラーな事態も発生してしまいます。


そして、今まで相手の心を一度だけ読むという魔法の力を得ていた西也もまた
その力に変異が起こります。突如激しい頭痛に一瞬襲われ、苦しむ西也。
頭痛が収まると、心配で駆け寄ってきたいすずの心の声が読めてしまうのでした。


力を得たばかりの頃に、一度だけ心を読んでしまったために
もういすずの心の声は、西也には聞けなかったはずなのですが…。
ここに来て、原因は不明ですが魔法の強化?が行われたようです。


しかし、力を得るには代償が必要だったようです。
その心を読んだ相手の、情報が心を読むために少しづつ抜け落ちていくようなのです。


いすずの心を読んでしまった西也は、まずはじめにいすずとどのようにして出会ったか。
そして、いすずの名前自体を忘れてしまいます。ただ、名前は携帯に残っていた
いすずのメールから割り出すことが出来ました。しかし、自分がそのいすずを何と呼んでいたのかわからなくなってしまいます。
アドリブで、フルネームでいすずを呼びかける西也ですが、その変化にいすずは当然ながら気づいてしまうのでした。


力を得たことで、逆に使いにくくなってしまった読心の能力。
果たしてこの変化はどうして起こったのか?また新たな謎が増えています。


この巻では、とにかく二人のヒロインが今まで以上に可愛く描かれていますね。
3・4巻はメインヒロイン二人の出番が若干少なかったので、二人がキャラ的に好きな人にとっては嬉しい。


ただ、話はかなり重めです。特にラティファが西也に潜在的に抱えていた気持ちは
非常に切なく、それでいて共感できる形になっています。
そして、その気持に応える西也の態度がまた素晴らしい。
西也も、主人公としての存在感を大きく持つに至っています。


クライマックスに向けて、下地は全て整った状況で6巻へ。
最後には、あの栗栖隆也から直々に西也の呼び出しもあり、遂に
呪いの元凶と、西也達が対峙することになります。最高に気になる引きです。


予め言っておくと次巻が最終巻です。

個人的評価(5段階) ★5

1巻の感想はこちらから
2巻の感想はこちらから
3巻の感想はこちらから
4巻の感想はこちらから




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