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2016/12/21  甘城ブリリアントパーク 1巻 [ドラゴンコミックスエイジ]




原作 賀東招二
作画 吉岡公威
キャラクター原案 なかじまゆか


寂れたテーマパークを救うために、元天才子役が奮闘!


フルメタル・パニックシリーズを執筆していたことで知られる
賀東招二が送る遊園地経営物語(?)ライトノベルである
甘城ブリリアントパークのコミカライズ版です。


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イケメンで頭脳明晰な可児江西也(かにえせいや)は、スペックこそ
超絶に高いものの、その傲慢な性格が災いして、ぼっちな高校生活を送っていました。


周りの人から、自分の頭脳・容姿を褒められれば、それを当たり前のものとして
そんなことを聞くお前たちはバカなのか?と言ったぐらいの尊大な態度で返してしまうのです。
彼は、一言で言えばナルシストと呼ばれる人種です。


学校では、便所飯すら厭わない彼ですが、ある日の放課後。
とある、美形の女子・千斗いすずに言い寄られます。
いすずは、三学期に突然西也のクラスに転入してきた少女です。


そして、彼女は西也に、今度の日曜に遊園地にいかないか?と誘います。
シチュエーションだけみれば、もはや男にとっては理想でしかない状況なのですが、ただ彼女の手には…


何故かマスケット銃が握られているのでした。


目の前の美少女とは似つかわしくないマスケット銃。
しかも、どうもデートに誘うような素振りではなく、付き合ってくれなければ
この銃を撃つ…と言った危うさを含んでいます。


そこで、いすずに、そのマスケット銃はなんだ?と至極当然な疑問を投げかける西也。
そして、彼女の回答は


あなたを逃さないため


と臆面もなく答えるのでした。
その迫力に圧倒され、わけもわからずにOKしてしまう西也。


次の日曜日。いすずと待ち合わせをする西也。
普通であれば、美少女と評判の女子からお誘いがあれば西也でなくても
心踊るというものですが、マスケット銃の件もあり乗り気になれない西也。


そもそも冷静に回想してみると、彼女が西也を呼び出した時は
彼女の手にマスケット銃は握られていなかったとのこと。
一体彼女はどこからマスケット銃を出したのでしょうか?


そんなことを考えていると、いすずが登場。
予想に反して、私服はまともだったいすず。


西也の姿を見つけると早々に、早速行きましょうと西也につげるいすず。
全く説明もないまま、一方的に事を進めるいすずに、どこに行くんだ?と当然の事を尋ねる西也。
そして、彼女から返ってきた答えはと言うと…。


甘城ブリリアントパークと、いすずは告げるのでした。


甘城ブリリアントパークは、甘城市の外れにある遊園地(いすずいわくテーマパーク
遊園地自体は昔からあるものの、今は全く人気の無いスポットで
一般の人からは、散々な言われようの遊園地と今はなっているようです。


幼少の頃に、西也も一度だけ訪れたようですが、殆ど記憶はないようです。
その甘城ブリリアントパークに、二人でバスで向かうことになるのでした。


そして、到着した甘城ブリリアントパークはというと…。
寂れに寂れ、入場客もポツポツとしかいないお寒い状況となっていました。
遊園地らしい活気はなく、いわゆる閑古鳥が鳴いている状態です。


そして、その閑古鳥を裏付けるようにアトラクションも貧相。
ジェットコースターは、スピード感がまったくなく退屈するほどですし
売店で食べ物を買おうと思えば、近くのスーパーにこれから買いに行く。
キャラクターアトラクションは営業休止の場所もある。


そして、パークの看板キャラクターモッフルと触れ合えるはずの
モッフルハウスでは、モッフルがなんと客である西也と喧嘩まで始めてしまう始末。


どうせチンピラが中に入っているのだろうといすずに悪態を付く西也。
しかし、中の人など居ないといすずは頑なに告げるのでした。


惨状を目の当たりにした西也は、このパークには人を楽しませようという気概が
全く見られないことを、いすずに強く意見するのでした。子供を楽しませることはとても難しいことであると。
そして、西也に対して耳の痛い言葉ねと、いすずはまるで関係者のように言うのでした。


高校生とは思えない西也の意見に感心しきりのいすず。
そこで唐突に、いすずは、昔芸能界に天才子役として君臨し
一時期はTVで引っ張りだこだった「児玉誠也」という子役のことを語るのでした。


エンターテイメントの怪物だった「児玉誠也」がこの惨状を見たらどう思うか?
と、いすずは全てを承知の上で、わざとらしくそんなことを語るのでした。
もちろん、西也もそんなことはとっくに気づいています。
彼は、既に児玉誠也は消えた…。といすずに言うのでした。


結局、いすずの真意は良くわからないまま無駄な時間付き合わされたと呆れた西也が帰ろうとすると
最後に、いすずはこれだけ最後に食べていってとコロッケを西也に出すのでした。


不審に思いながら、そのコロッケを食べるとこれが抜群に美味い。
あの西也が素直にそう思うほどの味です。そして、唐突にいすずは
このコロッケを作った人に会ってみない?というのでした。


やはり、いすずの真意を測りかねる西也。
そのままパークの内部…城の形をした建物(西也は城塞と呼んでいた)の地下に
いすずの先導で招き入れられます。バレバレでしたがやはり、いすずは関係者でした。


彼女が持つ関係者パスは、レベル4。
セキュリティレベルが5段階となっている中で
かなり奥にまで入ることが許されている関係者です。


そして、コロッケを作った人物は、このレベル4で入れる区画にいるとのこと…
すなわち園内ではかなり偉い人が、このコロッケを作っているということです。


特に会わせる理由も告げず、その人物が居るところに案内するいすず。
城の地下からエレベーターで上がっていくと、まるで空中庭園のような開けた場所に出ます。


そこには、まるで異世界のお姫様のような格好をした可憐な少女が1人佇んでいます。
彼女の名前は、ラティファ・フルーランザ。この甘城ブリリアントパークの支配人と名乗ります。
見た目は年端もいかない、少女にしか見えない彼女が支配人だと言うのです。


西也が名乗るまでもなく、既に彼の名前を把握しているラティファ。
いすずが、西也をここに連れてきた理由は全くいすずからは語られていませんでしたが
彼女は、西也にお願いしたいことがあっていすずにここに連れてきてもらったと告げます。
そして、彼女が西也にしたいお願いごととは…。


甘城ブリリアントパークの支配人になって欲しい


ということ。ちなみに、彼女は目が見えません。


どうやら、彼女は本当に異世界の人間だそうで
魔法の国・メープルランドの人間だそうです。


そのメープルランドが、地上に建てた大事な夢のアゲル(田園という意味だそうで。ラテン語かな?)ということ。
理解に苦しむ西也ですが、彼女が言うには、メープルランドのような国は点在しており
他の国も、甘城ブリリアントパークのような場所を地上に建設しているとラティファはいいます。


その建設理由は、地上の人がその場所に来た際に、楽しんだり
ワクワクした気持ちを抱いた時に、「アムニス」という力を発生させるそうで
彼女たちのような魔法の国の住人はエネルギーとして生きているのだそうです。


しかし、甘城ブリリアントパークはご覧の有様状態なわけで、その遊園地の立て直しに
元天才子役であり、エンターテイメントを知っている西也が抜擢されたのでした。


混乱する西也を前に、ラティファは一つ、西也に魔法を授けますと言います。
この魔法は、女神の思し召しのため、実際に授けるまでどんな魔法が授けられるかわからないという状況。
ここまで告げて、おもむろに西也に口づけをするラティファ。突然の出来事に西也は焦りますが
その結果、人の心を一度だけ読める(二度目は無い)というやや中途半端な力を得るのでした。


魔法を授かったことが、あまりにも負担を肉体に強いたのか、儀式の後は気絶してしまった西也。
実は彼は、メープルランドの神託によって選ばれた人間でありました。
閑古鳥が鳴いている今の甘城ブリリアントパークでは、ラティファを始めとした
メープルランド住人を満たすだけのアニムスを得ることが出来ないのです。


そして、実際に土地の開発会社からは、後2週間でパークの入場者数が
10万人以上入らなければ、甘城企画という会社が、甘城ブリリアントパークの
経営権を買い取り、実質閉鎖されることが決まっているのでした。


つまり、この甘城ブリリアントパークはもはや崖っぷちの状態に立たされているということ。
果たして、この窮状をただの一介の高校生に過ぎない西也が救うことは出来るのでしょうか?


というわけで、フルメタル・パニックからは随分路線が変わった印象ですね。
話の展開のさせ方と、二人のヒロインであるいすずとラティファがかなりカワイイ。
育った環境のせいで、人との接し方が良くわからないいすずと、盲目の
薄幸な雰囲気を漂わせるラティファの二人がいい味を出していると思います。


西也は、ナルシストですが根は良い奴というか…尊大な態度をとりますが
全く嫌味なところはなく、非常に好感が持てる主人公だと個人的には感じました。


最初は、突然の支配人の抜擢に当然断るつもりだった西也ですが
最終的に、この絶望的な甘城ブリリアントパークの支配人になることを引き受けます。
ただし、10万人達成のタイムリミットである2週間だけという条件をつけて…。


現状、現実世界でもこんな感じの遊園地は行きたくないと思われるような遊園地である
甘城ブリリアントパークですが、果たして劇的に観客数を伸ばすことが出来るのでしょうか?

個人的評価(5段階) ★4




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