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2013/10/04 へうげもの 1巻 [モーニングKC]





漫画 山田芳裕

時は戦国時代。出世と物欲の2つの欲に悩まされた漢の話。

今の世の中、オタクという言葉が一般的な言葉になって久しいです。
一時期は、蔑視の対象でもあったオタクですが、現在ではそのアイデンティも一定の評価を得てきているような気がします。
鉄道オタク、アニメオタク、軍事オタク、漫画オタク(あ、ワタクシのことだ!)etc...
そこには、何か一つの事に打ち込んでいる者という肯定的な意味が現代にはあると思うのです。




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しかし、このへうげもの(ひょうげものと発音。剽げる=ふざける、おどけるなど。)で扱っている時代は戦国時代。
日本全国が、血なまぐさい争いによって、様々な戦国武将が闊歩していた時代です。
そこに現れるは、武将でありながら古今東西のあらゆる骨董品や銘器に目が無い古田左介(後に古田織部)という武将。
ワタクシ、自慢じゃないですが歴史はそこまで詳しくありません。
なので、お恥ずかしながら古田左介はこの漫画を見るまで存在すら知らなかった武将でした。

齢34になった古田左介が自問自答するシーンから、この漫画は始まります。
一介の武将で、出世のため武勲を挙げたいと思うさながら、その一方で古今東西の銘器に目が無く
時に、自分の立身出世以上に、銘器を目にし、手に入れることに執心する古田左介。
現代で言えば、骨董マニアとか言われるのでしょうが、時代は生きるか死ぬかの戦国時代。
通常は、自分の保身・立身出世を考える武将がほとんどの中、古田左介のような数寄者(すきもの)は、さぞかし当時の武将の間からは変人に見えたことでしょう。
しかし、同じオタクの素養を持つ人間にとっては、痛いほど左介の気持ちが分かるというのは言いすぎでしょうか。

その他の登場人物は、織田信長や豊臣秀吉、千宗易(後の千利休)など、もっと題材に出来そうな人物が多く関わる中で
あえて、この古田左介を主人公に捉えた、作者・山田芳裕の着眼点は凄いと思うのです。
更にこの漫画の凄いところは山田芳裕が描く欲望の描写。
絵は正直、決して上手いとは言えません。しかし、山田芳裕の描く漫画は異常な力強さがあり
その力強さが、戦国時代の混沌を表すのにコレ以上もなく合致しているのです。
そして、古田左介が銘器・同じ数寄者に対峙する際に魅せる数々の顔芸とでも言うべき表情。
主人公の威厳とか全くありませんwそこにあるのは、自分の好きなものに触れた人間が魅せる驚愕・恍惚の表情。とにかく、古田左介の顔芸だけでこの漫画は見る価値があるとは言いすぎでしょうか。
また、古田左介が銘器を表現する際の、謎の擬音も笑えますw

歴史好きの観点から見れば、とにかく織田信長が異常にかっこ良く描かれているのも特筆モノかもしれません。
織田信長は、恐らく現代に於いて最も物語の題材にされている戦国武将の一人でしょうが
数多ある織田信長像の中でも、へうげものの織田信長は人間として惚れ惚れするようなキャラになっています。

戦国時代という、ある意味語り尽くされた時代の話だけに、相当な物語の独創性が求められると思うのですが
へうげものは、古田左介という武将にスポットを当てる事によって、また別の角度からの日本史を描き出している事に成功しているような気がしますね。
歴史詳しくないですけど←しつこい

ちなみに、作者の山田芳裕氏は高校の大先輩にあたりまして、それがワタクシが密かにこの漫画を応援している理由の一つでもありますw

あ、内容あんまり触れてませんでしたねw2巻以降は触れます←

個人的評価(5段階) ★5


へうげもの(1) (モーニングKC (1487))

へうげもの(1) (モーニングKC (1487))

  • 作者: 山田 芳裕
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/12/22
  • メディア: コミック




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