2013/08/16 ANGEL VOICE 1巻 [少年チャンピオンコミックス]
漫画 古谷野孝雄
SLAM DUNKとROOKIESを足して2で割ったような漫画
題材はサッカーの少年チャンピオンにて連載中のスポーツ漫画。
酷評チックな見出しで書きましたが、これは面白い!
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熱血教師・黒木鉄雄は、元サッカー選手であり、一時は日本代表に選ばれてもおかしくない実力を持っていた。
しかし、怪我の影響により選手生活を断念。指導者の道を歩むこととなる。
過去、九州の学校で無名の荒廃した学校のサッカー部を県大会ベスト8までチームを強化した功績を買われ
彼が新たに監督を要請されたのは、千葉県にある市立蘭山高校のサッカー部監督。
既に、不良たちの巣窟となり部活として機能していなかった市立蘭山高校のサッカー部を立て直すべく
個性的な部員とともに、チームを強豪へと導いていく…。
指導者が、経験者とほぼ未経験者の違いはあれど、この辺りの設定はROOKIESとほぼ同じ感じ。
で、更にこのサッカー部を立て直すべく黒木がスカウトする部員の面々が
中学で最強と呼ばれていた4人の生徒(ただしケンカで)というあたり
悪童がメキメキ成長していくスポーツモノというところで、SLAM DUNKを思い出す訳です。
絵も、おそらく井上雄彦の影響を受けている感じがモロに分かります。
しかし、この4人(1巻の段階ではまだ二人ですが)は中学ではほぼ無敵の4人組ということで
ケンカでパンチやキックの嵐を掻い潜っていれば、当然身体能力も高いであろうという黒木の説明通り
ある意味、ベタな設定が素直に、主人公たちの能力の高さを読者に納得させます。
主人公格の成田信吾は、完全に桜木花道を意識した感じなのでしょうね。
身体能力の高い素人(正確には成田には、過去サッカーをしていた時期もありましたが試合にほとんど出ていないので素人も同然)は、まさにその設定です。
もちろん、身体能力が高いといえども、素人がいきなりプレイしてポンポン勝ち進めるようになるとか
そこまでご都合主義な話はなくて、監督である黒木は徹底的に基礎からサッカーを叩き込む。
漫画だからとか、そんな誇張は一切無くて、本当に地味な練習と
ほぼ素人集団同然のサッカー部の中で、一人の天才がチームにもたらす影響とか
丁寧に描写しているあたりに、本当にサッカーが好きで書いているのだろうなというところが伺えます。
これは、スラムダンクでも感じたところですが、こういった現実に即したものは
よほどトンデモなもの以外は、作者がそのスポーツに精通ないしは好きであることが前提でないと
面白い漫画が描けないように思えます。(魅力的なキャラとかはまた別の話)
ANGEL VOICEはその辺りしっかりとした描写があって面白いんですよね。
1巻ではケンカばっかりしてて、ほとんどサッカーの描写が無いのですが(笑)
個性的な部員が集まってくるにつれて、とても読み応えのある漫画になっていきます。
現在もチャンピオンにて連載中で、毎週最新号が出るたびに
この漫画は読ませて貰ってますが、本当に先が気になる漫画。
既刊が30巻以上あるので、今から集めるのは大変なのですが
こういう漫画こそ、本棚にとっておいてふとした時に読みたい漫画だと言えるのだと思いますね。
先を読むと分かるのですが、1巻冒頭でおそらく壮大なネタバレしてます。これ(笑)
ただ、その結果に至るまでの経緯が面白いわけですので
これから先も本誌連載を追っていきたいと思っている作品です。オススメ。
個人的評価(5段階) ★5
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