帝乃三姉妹は案外、チョロい。 1巻 [少年サンデーコミックス]
漫画 ひらかわあや
天才帝乃3姉妹と大女優の息子でありながら、ポンコツ男子高校生である綾瀬優の共同生活ラブコメディ!
『國崎出雲の事情』『天使とアクト』『FIRE RABBIT』など、特殊な職業の題材漫画を得意としているひらかわあやが、少し路線を変えて純粋なラブコメを描く『帝乃三姉妹は案外、チョロい。』の1巻です。日本国民の誰もが知る、天才大女優である綾瀬昴には優という一人息子がいました。
綾瀬昴は見た目も美しく、またその美貌に奢ること無く、ホームドラマなどもやればアクションなどもやるほど、多彩な映画に出演し、まさに大女優の名をほしいままにする人物。
ですが、彼女の一人息子である優は、昴の見た目の良さこそ受け継いだものの、それ以外は何をやらせても平凡…いや、平凡以下のいわばポンコツ。
しかし、天才大女優の綾瀬昴の息子ということもあり、周りからは過度な期待をかけられており、それに応えることが全くできない自分に大きなコンプレックスを持っていました。
その結果、優は昴を避けるようになり、また大女優で仕事が忙しく、家を空けがちなため、優は母親でありながら大女優である昴との付き合い方の距離感がつかめないままでいました。
しかし、昴はその激務がたたったのか、体調を崩し入院生活を送ることになります。
そのことをきっかけに親子の会話が徐々に増え始め、昴がどのような気持ちで優のことを見ていたかを理解し合え始めたその時に、昴が急逝してしまうのでした。
昴の死因などは明かされていませんが、父親の影も見えない優は一人になってしまい、死後昴が残したエンディングノートを見ると、そこには優には家族と幸せに生きて欲しいという切実でたった一つのささやかな願いが書かれているのでした。
結局、仕事に忙殺され自分の息子・優と満足に家族という関係でいられなかった昴は優には自分と同じ思いをしてほしくないという願いがあったのだと思われます。
優が通う高校である才華学園は、様々な一芸に秀でた生徒が集まる学校です。
優がポンコツであることを知らない周りの生徒は、優がどんな才能を持つか興味を持っていますが、彼が選んでいるのは普通科ということで、周りは失望します。
優にとっては、親があまりにも偉大すぎるため、そのようなことは日常茶飯事なので、慣れていることもあって周りの嘲笑などもどこ吹く風といったところです。
そんな優は昴の死後、悲しむヒマもなく父親が昴の知り合いである帝乃家にお世話になることになります。
その帝乃家には3人の娘がおり、宝塚の女性のような見た目を持つ一輝、熊をも倒せる格闘家である二琥、そして天才女流棋士の三和という同じ才華学園に通う、学校で通称三帝と呼ばれる、優とは対極に位置する天才三姉妹なのでした。
優はポンコツでありながら、一人暮らしが長かったのでそれなりの家事スキルを持っていますが、帝乃三姉妹については確かに天才なのですが、自分の身の回りの整理や一般的な家事スキルがほとんどなく壊滅的。
また天才の孤独といったところなのか、やや人付き合いに難がある面が3人ともあり、そういった身の回りのお世話やそれぞれの使うところにあわせた食事メニューを考え、陰ながら支える役になることを優は決心します。
帝乃三姉妹は基本的に自分の力で、それぞれの場所でのトップを維持してきたので、最初は優のことを見下すのですが、献身的な優の行動に徐々に惚れていくという物語です。
その惚れるというか、照れる部分の行動がかなり浅いものなのに、慣れていない帝乃三姉妹がドギマギ
することから、このようなタイトルがついているのだと思われます。
この巻の最後では、この優と帝乃三姉妹が本当の家族になるまでのお話だということが語られており、これからは結構コテコテなラブコメが展開されるのだろうなと予測されます。
優含め、ヒロインもそれぞれ個性が立っているキャラばかりなので、そんな3姉妹が優一人に振り回される様はなかなかニヤニヤしながら見れること必至です。
3姉妹なのでどのような結末になるかが読めないですが、少なくともそれぞれのキャラとのラブコメ的展開はあるはずなので、そちらを楽しみに続刊を追っていきたいと思います。
個人的評価(5段階) ★5
帝乃三姉妹は案外、チョロい。(1) (少年サンデーコミックス)
- 作者: ひらかわあや
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2022/03/17
- メディア: Kindle版
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