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2016/08/06 狼少年は今日も嘘を重ねる 1巻 [ファミ通クリアコミックス]



作者 namo


惚れたあの娘に振り向いてもらうため、少年は狼少年になることを選んだ。


主人公の五木啓太郎(いつきけいたろう)は、ちょっと目つきが悪いだけの、どこにでもいる男子高校生。


ただ、目つきが余りにも悪すぎるため、本人は普通にしているつもりでも
周りの人間…特に女子からは、それだけの理由で避けられ続ける辛い日々を過ごしていました。




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自分の目付きに対して、常に良い印象を持たれてこなかった経験から
知らずに人目を避けるようになった啓太郎。
そんな彼のお気に入りのスポットは図書館。彼は図書委員でもあります。


図書室に行くようになった啓太郎の前に、ある女子生徒が現れます。
それが、この物語のヒロインである外鯨葵(とくじらあおい)


彼女はちょっとした有名人。目の覚めるようなルックスを持つものの不可解な行動が多く
高校の入学式を何故かボイコット。更には、入学後に言い寄る男子も多くいたものの
それら全てをバッサリと斬り捨てるという鉄壁のガードっぷり。


結果、同性からは彼女はよく見られていない孤立状況に。
図書室に引きこもり、触れるものを傷つける図書室のいばら姫という異名をつけられてしまうのでした。


図書委員で、図書室に出入りすることが多い啓太郎は
そんな葵に惚れてしまいます。普段行動している時はとりつくしまも無いほどの
人を寄せ付けないオーラを放っている葵も、図書室では少し雰囲気が和らぐのです。


普段、女子からは恐怖感からまともに目もあわせてもらえないような啓太郎でしたが
たまたま自分が受付している時に、本を借りに来た葵は自分をまっすぐに見てくれた…
そんな理由から、葵に啓太郎は惹かれたのです。


そんなある日、図書館の奥で啓太郎はたまたま居眠りをしている葵を目撃します。
寝ている彼女の鼻の頭に、外から吹き込んできた花びらが乗っている…そんな状況を
まじまじと見ようとしてしまったのが運のツキ。


お約束通りというか、ちょうど見つめている間に目を覚ます葵。
慌てて取り繕う啓太郎ですが、葵は嫌悪感を込めたキツイ一言を啓太郎に放ちます。


気持ち悪い


以前、自分の目をまっすぐに見てくれたと思った葵に完全な拒否の一言をぶつけられ
更に、取り繕うとしたところで、更に葵に


あなた誰ですか?


と、拒否よりも更にある意味キツイ言葉をぶつけられ傷心状態に陥る啓太郎。
ショックのあまり、その日の午後は授業をサボり、雨の中帰宅の途につくのでした。


そんな傷心状態にも関わらず、そんな啓太郎の状況を見て青っ春の味とからかう
ややおちゃらけた姉が登場。しかし、本気で拒絶されたことに対する傷心状態から抜け出せない
啓太郎は、こんな目つきでなかったらもっと違ったのだろうか?と姉に問いかけをします。
そして、変われるものなら変わりたいと辛い心情を吐露するのでした。


最初はおちゃらけて聴いていた姉も真面目モードに。
もし、変われるのなら、変わりたい?と改めて啓太郎に聴くのでした。
そして啓太郎は変わりたいと答えます。


気分を落ち着けるためにコーヒーを飲むと、その後睡魔に襲われる啓太郎。
美容師をしている姉の店で、そのまま軽い眠りにつきます。
そして、しばらくして啓太郎が目を覚ますと…


鏡に写る女の子の姿。


眠っている間に、姉が啓太郎に女装を施していたのです。
この姉、何か盛ったな。


目つきの悪い通常の姿からは想像できないような
女装・啓太郎の姿がそこにはありました。
突然の出来事にびっくりする啓太郎。


戸惑う啓太郎をよそに、女装を施した姉はノリノリで
啓太郎をチョーかわいいというのでした。
そして、女装すれば世界が変わって見えるとも。


拒否反応を示す啓太郎でしたが、今日は店じまいとのことで
もうこのまま家に帰れと促される啓太郎。


慣れない女装姿に、大きく戸惑いながらも、いつも他人が
自分を見る時に見せる表情と、周囲の目が違うことに啓太郎は気づきます。


ただ、それでも初めての女装で、違和感ありまくりの姿に一人悶える啓太郎。
そこで、一番会いたくなかったであろう葵にばったりと出くわしてしまいます。


関り合いになるつもりはないと、そのまますれ違おうとすると
そのすぐ後ろで、男子高校生と何やら揉めている葵の姿が。
どうやら、またも同じ学校の男子に言い寄られているようです。


やはり、そこでも嫌悪感全開の拒否を行う葵。しかし、相手もなかなかしつこい。
手を触れられそうになったのと同時に、かばんで思わず男子生徒を殴ってしまう葵。
激高した男子生徒が、葵に殴りかかったその瞬間、女装姿のままの啓太郎が割って入るのでした。
そのまま、葵と一緒に逃げる啓太郎。


さっき、こっぴどくふられたばかりなのに、勢いがあったとはいえ
思わず、手を握って逃げてきてしまった啓太郎。
彼女にバレるかと思いましたが、メイクは崩れておらず
葵は目の前の女性が、啓太郎とは気づいていません。


名前を聞かれて、咄嗟にイツキという名前を名乗る啓太郎。
助けてもらったことに対して、お礼を葵に言われるのと同時に
葵からとんでもないことを頼まれてしまうのでした。


私のはじめての相手になっていただけませんか?


まさかの百合展開…?
かと、思いきや、葵は自分の境遇について啓太郎に話し始めます。


どうやら彼女は、極度の男嫌いらしく男に触られるどころか
目を合わすことすら出来ないという状況であったとのこと。


啓太郎が言われた言葉も、結局啓太郎の顔を全くみていなかったからであり
彼女としては、特別に啓太郎に嫌悪感があったわけではないとのこと。
というか、それ以前に認識すらされていなかったので、こちらのほうがある意味絶望的では有りますが…。


そして、その男嫌いのせいで、彼女もまた啓太郎のようにつらい思いをしてきたということだったのです。


そんな彼女が、イツキの男っぽい(男ですが)ところに仮想男性とみなして
この男嫌いを克服しようとするところから、2人の奇妙な関係がスタートします。
葵は完全に、イツキを一人の女として認識しています。


啓太郎としては、そんな彼女に触れられるチャンスが巡ってきたことを喜ぶのと同時に
本来の自分の姿で話しているわけでもないことに葛藤を覚えます。


啓太郎としては、彼女の男嫌いを克服させてあげたいという気持ちもありますが
女装したことによって彼女に触れられる機会が与えられたことに希望を見出すことにも繋がったということです。


彼女を騙しているという葛藤がありながらも、前述の2つの理由から
女装を続け、葵の男性恐怖症の克服の手伝いをすることを決めた啓太郎。
その状況を姉は、啓太郎を嘘をつき続け最後には誰からも信用されなくなって
破滅を招いた童話の狼少年の話に擬えます。
もし、最終的に彼女が全て知った時に起こりうるリスクについても覚悟があるのか…と。


啓太郎としては、葵の本当の願い…男性恐怖症がなくなったら普通の恋をしたいという
願望を聞いて、啓太郎は狼少年で居続けるイバラの道を選択したのでした。


と、ストーリー最初の部分を書きましたが
なんというか、飾らない感じがいい漫画ですね。
出てくる女の子も、素朴にカワイイというか。
狙った感じが無いのですよね。男性恐怖症という設定もあるでしょうが。


この巻の後半には、葵の幼なじみで自分を葵の番犬と称する
倉敷牡丹という、葵とは正反対のような性格のキャラも登場。


今まで、自分以外の人間とロクに話していることすら見なかった
葵が、イツキの前では話しているところをみて、イツキは信用できると判断。
葵の男嫌いを治そうと奮闘しているイツキに、好意の言葉をかけるのと同時に
葵にだけは嘘をつかないでくださいと、イツキに釘を刺すのでした。
啓太郎は。ますます狼少年の苦悩の深みにはまっていくこととなります。


正直、漫画の終着点の展開は、ある程度予想がつく作品になるとは思いますので
今後の啓太郎と葵の関係や、牡丹が一体どのような位置づけで
今後の物語に生きてくるのかを注目したいと思います。
今後の展開次第で、かなり面白くなりそうな雰囲気がありますので次巻以降期待したいですね。


余談ですが、個人的には葵より牡丹のほうが、女の子キャラとしては好きな部類に入ります。

個人的評価(5段階) ★3

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