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2013/10/15 へうげもの 4巻 [モーニングKC]





漫画 山田芳裕

明智、死す!

前巻の終わりで、闇討ちにあった明智光秀一行。
無残に殺される従者をかばい、身体を槍にて貫かれた明智は
そのまま、最期の時を迎えます。
従者に見守られながら、もっと数寄に惚けたかったと本音を想う
明智の目は、戦場にありながら穏やかでありました。
最期に、左介の姿を思い出し、かように在りたかったと想う明智。
なんで、この漫画の武将の最期はどれもかっこいいんだ…。

歴史上では、3日天下などと呼ばれる明智も、表舞台から姿を消し
いよいよ主人公・左介と、秀吉が物語の中心となりはじめます。
秀吉は、おもむろに左介を呼び、自分が信長を殺したのだと改めて左介に伝えます。
このことは、左介とそれを左介に教えた弥助、そして秀吉だけの秘密となり
左介には、そのことを誰にも言ってはならないと改めて秀吉は釘を刺します。
動乱の世において、改めて秀吉の非情さに感服する左介。
それを聞いた秀吉は、非情ではなく努力であると左介に言い残し
一人、涙を流すのでした。秀吉もカッコイイわ…。

一方、千利休は自分の待庵に弥助を招き、茶を弥助に振る舞います。
ここでも交わされる、政治の密談。
異国の人間である弥助を相手に、今日自分の生涯を賭した美が完成したと喜ぶ利休。
この辺りの描写は、へうげものならではの描写だと思いますね。

一つの時代が大きく変わるも、天下はそう易易と誰かの手中に収まるわけではなく
今度は、徳川家康がその天下取りの争いに参加してきます。
秀吉は、とても強大な力を持ち始めていましたが、家康の野心もまたそれに負けては居ません。

しかし、その一方でやや地位が安泰になってきた左介の日常には
数寄に惚ける余裕が若干出てきたようであります。
自分の心惹かれる銘器を見て、大金時様が疼く(大金時様は言わずと知れた男のアレですw)とか
もうアブノーマルワールドに突入。まぁ、左介だから仕方が無いw
銘器に目がないのは相変わらずな左介ですが、その銘器バカに目をつけられ
秀吉に、銘器を貸し与える代わりに、家康との和睦を結ぶ使者に命じられます。
前回は、自分の饗しを受け入れてもらえなかった相手だけに、本当行きたくない左介も
銘器を貸し与えると言われたら、それは行かざるを得ないというw
物欲が強いワタクシにもその気持は痛いほどわかりますわw

秀吉の和睦の使者として、徳川の元に向かう左介も
徳川の饗しは、玄米をてんこ盛りにもった、とても無神経な(左介からすれば)饗し。
今まで討ち死にしていった者どもを小馬鹿にするような、饗しに憤りを見せようとする左介も、すんでのところで怒りを堪えるのでした。
怒りをこらえたお陰で、徳川との和睦に成功した左介。
更には、丸焼きにされた魚を乗せていた小皿を、こっそりと持ち帰るしたたかさを見せつつ、その功労を評価された左介は、秀吉から織部の地位を授かるのでした。

出世した織部は、周りの者が天下取りに躍起になる中、偉くなったこともあって
更なる数寄に興じるようになります。
まさに、我が道を往くオタクの織部にはちょっと憧れてしまいますね。
武将としてより、その数寄の感性に心惹かれる人間も現れ始め
織部の存在感はますます上がっていきます。

そして、自分の大名屋敷を建立するにあたり
利休が推す、長谷川等伯に自身の屋敷の襖絵を描いてもらうことを依頼する織部。
織部が目指すのは、なんと数寄の世界の天下人。
この男の、野望は果てしなく大きいのでありました。

個人的評価(5段階) ★5

1巻の感想はこちらから。
2巻の感想はこちらから。
3巻の感想はこちらから。


へうげもの(4) (モーニングKC)

へうげもの(4) (モーニングKC)

  • 作者: 山田 芳裕
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/01/23
  • メディア: コミック




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