SSブログ

2013/10/11 へうげもの 3巻 [モーニングKC]





漫画 山田芳裕

巨星墜つ!!

前巻の最後で、秀吉に身体を切り離されてしまった信長。
しかし、切り離された身体を強引にくっつけ、何事もなかったように
秀吉と対峙する信長。唖然とする秀吉。
秀吉に「愛」を語る信長。信長が夢見ていた世界は壮大でした。
自分の身体から出る血を、そのまま茶のように器に入れ、秀吉に淹れる信長。
そして、そのまま絶命。秀吉はその血で作られた茶(?)を
信長の亡骸を前に、すするのでした。
まさに壮絶な最期に、山田芳裕的信長像の凄まじさを見ることが出来ます。
壮絶にカッコイイ。




スポンサードリンク





しかし、秀吉は呆けている訳には行かない。
自身で殺した信長を殺したのは明智であると、裏を知るものからは
まさに猿芝居的立ち居振る舞いを見せ、再び天下取りに動くのでした。

一方、主人公・左介はどうなのかと言えば
主君を失ったことから、自暴自棄になる…訳でもなく
消失した本能寺跡地から、上様(信長)の安否を心配するフリ(まあある程度は本気でしょうが)をしつつ
天下の名物を探すことに没頭するのだから、数寄者もここまで来ると潔い。
戦場で、いつ誰から狙われてもおかしくない状況で、名物を血眼になって探す左介。
あんたはオタクの鑑だよ!!

同じく織田一族である、織田長益と本能寺跡地にて合流する左介。
長益もまた、当時の武人からは浮世離れした数寄者であり
ある程度、左介の心情が分かる模様。この男もかなりの度量の持ち主である。

仕えるべき主君を失い、身の振り方を考える左介。
立場的には、当然秀吉につくのが自然な流れだが
明智の数寄者ぶりにも惹かれる左介。
しかし、ここは武人として、自然な流れの羽柴のもとにつくことを決意します。
ここでの武人と数寄者としての葛藤が、素直に自分の好きな事だけを楽しめない
戦国の動乱時代であることを改めて感じさせます。
葛藤は続き、最終的に弥助から信長を殺したのは秀吉であると告げられる左介。
自分の存在意義を戦場に置いて、自問自答し、半ば殺されかけるも
やはり、生き延びてしまう左介。
非常にならなければ立身出世できない戦国動乱時代。
左介は、大大名になることを諦め、数寄者として生き延びることを第一に考えようと戦場で決意するのであった。

決意をした後の、左介は再び土器などに異常な執着と興味を示し初め
初期の頃の、謎擬音と共に数寄者の目の輝きが戻ってきます。
うーん。やはり、本質的にはこの方はオタクなのですなぁ。世が世だったらとてつもないオタクとして権威を持ちそうなぐらいの勢いですw

しかし、戦国時代に数寄だけやっているのでは話は進まないわけで…。
血なまぐさい戦いも、他方で展開されていきます。
最後は明智が、襲撃にあい槍で突き刺されるシーンで次巻へ。
これまた先が気になる引き。面白いですね。

個人的評価(5段階) ★5

1巻の感想はこちらから。
2巻の感想はこちらから。


へうげもの(3) (モーニングKC (1545))

へうげもの(3) (モーニングKC (1545))

  • 作者: 山田 芳裕
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/08/23
  • メディア: コミック




漫画・コミック ブログランキングへ


nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:コミック

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。