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2016/08/12 ANGEL VOICE 40巻 [少年チャンピオンコミックス]



作者 古谷野孝雄


このブログの初期の頃に、紹介していたANGEL VOICEですが
ブログを放置している間に、連載が終わっていたので改めて紹介させていただきます。




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最初に紹介した記事で、SLAM DUNKとROOKIESを足して2で割ったような漫画
個人的に書いたわけですが、これは何もネガティブな評価ではなく
バスケットボールのSLAM DUNK、野球のROOKIES、そしてサッカーのANGEL VOICEという
それぞれの競技での、金字塔的漫画が一つ生まれたのではないかと個人的に思っています。


サッカー漫画の名作と呼ばれるような作品ですと、大島司のシュート!ですとか
高橋陽一のキャプテン翼などが個人的に頭の中に浮かびますが、このANGEL VOICEも
それらの作品の中の一つ、いや、サッカー漫画としては一つの到達点的作品と評価します。


個性的な…悪く言えばアクの非常に強い、市立蘭山のサッカー部員をまとめたのは
女子マネージャー高畑の歌声。ANGEL VOICEというタイトルはそこから来ています。


1巻の最初に、ある意味壮絶なネタばれを施しているこの漫画に於いて
一番難しいのは、作品の盛り上がりを維持しつつ、この壮大なネタばれに
いかに巧くつなげるかというところが、作者としても最大の難所であったのではないかと
邪推してしまうのですが、この1巻のネタばれから盛り上がりを考えられる限り
最大限に引き出して巧くまとめたと感じられるのは、ひとえに作者の手腕によるものでしょう。


市立蘭山がある千葉県は、全国1位と2位のチームが居るという最大の激戦区に
なっており、そこで最初は素人同然に近かったサッカーチームが、黒木という優秀な指導者を得て
自分たちより遥か強豪だったチームを次々に撃破していく蘭山の快進撃が観ていて非常に痛快。


グラウンド外では、ケンカならレアル・マドリードにもバルセロナにも勝てると
評された悪童たちが、試合ではクリーンな試合運びをして、強豪たちを綺麗な闘いで倒していくのです。
これを痛快と言わずして、何という。王道中の王道の展開であっても、巧みな描写でそれを感じさせないのです。


この最終巻では、市立蘭山が到達すべきところまでがきっちりと描かれていて
最後まで着地点がブレずに、まるで市立蘭山の選手のように走り切った
スポーツ漫画の金字塔として、挙げられる作品に仕上がっていると感じます。


惜しむらくは、チャンピオンという他3誌に比べると、少しマイナーな雑誌で連載されていたということ。
ジャンプでの連載であったのであれば、ROOKIESに比肩する作品となったかもしれないほどの
ポテンシャルを秘めていた作品であったと感じます。作者的にはどうだったのかは知る術はありませんが
ジャンプといかないまでも、マガジン辺りで連載されていたのであれば、アニメ化なども可能性としてはあったのかもしれない作品だったと思っています。


綺麗に終わらせた作品でありましたが、個人的に一番驚いたのは
作者の古谷野孝雄は、この作品を描くまでサッカーのことをあまり知らない素人であったとのこと。
漫画を描くために、相当な勉強をしたようです。


また、作者的には根性論礼賛主義の日本の部活についても
少し苦言を呈しているのが意外でした。作品的には非常にそういった面が強く出ているのですが
無理をしすぎて、壊れてしまう選手が多いことに心苦しい印象を抱いているのが、個人的な考え方に
近いところがあり、古谷野孝雄という漫画家が好きになりました。


今まで野球・サッカーと立て続けに熱いスポーツ漫画を描いてきた古谷野孝雄ですが
最近は、別冊少年チャンピオンでゾンビとアイドルヲタという異色の取り合わせ漫画
ビンゾーの連載をスタートさせているようです。


ジャンルに関わらず、面白い漫画を描ける漫画家だと思っていますので
今までの作者の作風からすれば、異色とも思えるこの漫画も
ちょっと個人的に注目して見たいと思います。

個人的評価 殿堂入り

1巻の感想はこちらから。





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