2017/01/13 ナナマルサンバツ 5巻 [角川コミックス・エース]
漫画 杉基イクラ
明良暴走！参加者を引っ掻き回す！学人の過去も！
例会編はまだまだ続きます。この巻では苑原明良が大暴走。
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おそらく現実世界でもそうだと思われるのですが、クイズという知的遊戯を
嗜む人は、おそらくバカが付くほど純粋にクイズに対して真摯な姿勢を持っていると思います。
作中の、真理が中学時代のクイズ友達・由貴にクイズバカと言われていますし、識もそうなってきています。
開城や宮浦は、一般的にも進学校であるわけで、そんな学校の
更に頭の良い生徒たちが、クイズに真摯に打ち込んでいるというわけです。
ベタ問の話もそうですが、クイズ好きの先人たちが、問題を作成し
研鑽してきたという事実があるわけで、彼らは基本的にはクイズというものを
一種、崇高なモノとして捉えているような節もあります。何となくですがその気持は私もわかります。
なので、例えクイズといえども、全ては真剣勝負。誰よりも早く解答権を得て
自分の知識の総動員をして、難問に答えるというクイズの醍醐味に魅せられているのです。
しかし、今巻で主役になるのは、苑原明良。
苑原姉（千明という名前）曰く、彼はクイズの技術を研鑽しようとかそんな話ではなく
他人をひっかき回して遊ぶという、質の悪いイタズラのようなことをしているとのこと。
部活動に入れてみれば、何か変わるかもと期待していたとのことですが…
今の時点では、その目論見は外れているようです。
それでも、周りの人間が大人でストイックなため
場は乱されながらも、クイズ自体はそれなりに進行していきます。
この巻では、早押しボードクイズということで、問題文は普通に読まれますが
ボタンが押された時点で、問題文の読み上げはストップし、そこから推測される解答を
解答者全員がフリップボードに書くという方式です。
問題は、解答が一つだけのものもあれば、答えが複数あるものもあります。
複数あるものは、答えが多ければ多いほどポイントが得られるというシステムのようです。
これは、実際にこの漫画の問題部分を監修している、元クイズガチ勢の人たちが
問題形式などをこの漫画のために考えたようです。
その中で、面白かったのが五臓六腑を答えるという問題。
五臓六腑に染み渡る…とか言う、アレですね。
全て体内の器官になると思いきや…実は、六腑の方にひとつだけ
人体に存在するわけではない器官を指すところがあるのです。
皆さんはご存知でしょうか？正解を書いておくと…
五臓は肝・心・脾・肺・腎（臓）を指し
六腑とは、胆・小腸・胃・大腸・膀胱・三焦を指すとのこと。
この中で、三将というのは、気が昇降出入する通路と言った意味合いだそうで
上・中・下焦と分かれているのだとか。それを総称して三焦。
確かに、これは知らないと答えられないですね。この三焦が人体の器官名ではない
事実を問う、クイズ問題も一種のベタ問として問題があるようです。
明良の妨害（？）もありながら、例会は進んでいきますが
当然、勝者もいれば敗者も出てきます。
文蔵は、学人は強いですが、真理は残念ながら、途中敗退となっています。
そして、この巻のハイライトは、学人が以前通っていた学校である
開城高校と学人との因縁。過去、学人がどういう生徒だったかの回想が
開城部長の大蔵によって、語られます。
そこには、深見という名前の男子生徒の登場人物も…
どうやら、真理の兄ということのようです。クイズ王者として
名高い開城ですが、その開場のクイ研の歴史の中でも、類まれなる
実力を持っていたのが、学人と深見だったようです。
開城という枠組みを超え、未来のクイズ界の代表的な解答者として
君臨していくであろうと思われた、学人と深見はその後、それぞれの道を歩み
学人は、文蔵に転校、深見は高校クイズ界から姿を消したようです。
今まで謎が多かった、学人についての掘り下げも遂に行われてきていますが
やはり、まだまだ行動に不可解なところが見える学人。少しだけその姿が
垣間見えたような気がしますが、よりミステリアスな人物になってしまっております。
まるまる一巻使っての例会ですが、明良の言動は鼻につくものの
それを意にも介さない、各校の強い解答者たちの態度がなんかかっこいい（笑）
そして、この巻でも例会は終わりません。識が次のラウンドに進めるかの瀬戸際で
いよいよ、ライバルである御来屋との闘いが始まります。識のリベンジは果たせるでしょうか？
この二人が、お互いを認め合い潰しあう姿は、完全にスポーツのノリです。
識は果たして、次のラウンドに進めるのか？それとも御来屋が識を潰すのか？
盛り上がったまま次の巻へと続きます。
恒例巻末クイズは、例会の舞台となった麻ヶ丘に関わりがある
キリスト教関連のクイズ。クリスチャンの方だと簡単なのかな？
個人的評価（5段階） ★5
1巻の感想はこちらから
2巻の感想はこちらから
3巻の感想はこちらから
4巻の感想はこちらから
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