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2017/01/10  ナナマルサンバツ 2巻 [角川コミックス・エース]




漫画 杉基イクラ


クイ研入部を決めた識!そしてライバル登場!クイズ知識が深まる一冊。


ナナマルサンバツ2巻です。相も変わらず青春しまくりの部活動。


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前巻の感想では触れておりませんでしたが、クイズに興味を持った識は
いきなりクイズ研究会に入ったわけではなく、真理のやや強引な勧めがあって
近隣の赤河田(せきかわた)高校のクイズ大会の見学に付き合わされます。


部活動紹介で、問題に解答する気持ちよさを味わった識ではありますが
まだ、クイズ自体には乗り気ではありません。そもそも自分にそこまで出来るのか自信が無い。


まだクイズについては、及び腰な識を真理は強引に誘ったわけですが…。
ここでも識は、成り行き上文蔵高校の解答者としてクイズに初心者ながら参加するハメに。


クイズの触りだけは触れた識ですが、実際にはまだ素人の識。
果たして、ささやかな大会とは言え、解答することが出来るのか?


前巻の終わりから、この巻の中盤にかけては、識がクイズの面白さに気づき
そして、目覚めていく過程が書かれています。


前巻の感想で、識はクイズを知らない読者への橋渡し役と書きましたが
まだクイズに慣れていない、今巻でも識の立場は同一となっています。


競技クイズに関する様々なウンチクや、テクニックが目白押しな巻になっていて
思わず唸らされるような、クイズテクニックが多数紹介されます。


前巻の紹介でも書いたベタ問については、クイズ問題を作る方も非常に出題しやすい
定番中の定番問題ということで、ベタ問も最初からベタ問だったわけではなく、様々なクイズ大会などで
繰り返し出題されてきたことから、ベタ問になった歴史があるということを笹島が説明しています。


あとは、問題文の構造でストレート問題や名数問題、パラレル問題などの分類があるということは
私も初めて知りました。ストレート問題は、名前の通りシンプルな構造の問題。普通のクイズ問題。
漠然としたヒントから始まり、徐々に答えが絞られていく問題形式です。そのストレート問題の派生である
名数問題は、例えば音楽の三要素は旋律(メロディー)、和音(ハーモニー)とあと一つは?と言った問題。
答えは拍子(リズム)。クイズ好きには、割りとお馴染みの問題形式ですね。


そして、もう一つのパラレル問題というのは、一つ前の問題文に関連した全く別の答えを問うクイズ。
例えば、日本一高い山は…富士山ですが、世界一高い山は?といった問題形式。
これも、問題としては、ベタなものですが、答えの確定ポイントが難しいと言った特徴があります。


こういったクイズの構造についての、丁寧な解説や、更に実際に問題を読む読み手の
アクセントの付け方などで、確定ポイントまでいかずとも、答えを予想し、導いていくという高度な戦略で
解答していくといった、まさに競技と言っても過言ではないテクニックが紹介されていきます。


また、クイズ問題というのは極端に難しいものや意地悪なものも殆ど出ないということが
笹島によって語られます。曰く、クイズ問題も正解されてほしい意図があって問題が作られているからだ…と。
極端な話、例えば管理人が昨日食べたご飯は何か?とか、そんな問題もクイズに出来るので
クイズ問題は、無限に転がっているということになりますが、やはり問題を作る以上
その出題者側も、解答者に正解してほしいという思惑がある…という論には思わず納得してしまいました。


初めてのクイズ大会は、勝手を知らないこともあり散々だった識。
ただ、その場で参加している他校の生徒も含め、豊富な知識量は
誰もが一目置くものであり、当の識も問題文が最後まで読まれる前に
クイズの勝手を知っている別の解答者に、差をつけられてしまう自分の不甲斐なさ…
問題の答えを知っているのに、クイズの決まりを知らず間違っている…そのことに
口惜しいと、素直で強烈な感情を1人抱き始めるのでした。


この大会で、圧倒的な力を見せつけ優勝したのは県内進学校・宮浦高校の一年である御来屋(みくりや)
見た目はイケメンな彼ですが、クイズに対する情熱・貪欲さは確かに、参加していた生徒の中でも随一でありました。


クイズ素人の識を、最初は馬鹿にしていた風もありましたが、決勝ラウンド(識は出られなかった)で
自分がわからなかった問題を、識に外野から答えられてしまった(識はマナー違反となり笹島が退場させた)ことに、識を見る目は一転。
大会終了後の帰り道で、識に次の例会に出てこいと、一方的なライバル宣言をして姿を消すのでした。


今まで、このような関係を構築する機会が全く無かった識。
答えが分かっているのに答えられなかった、その口惜しさと、自分の知識を認め
ライバル宣言されたことに対して、今まで抱いたことのない感情を抱き、クイ研に入部することを決意するのでした。


王道的な部活動青春物語ですが、題材がクイズということで、大半の人は
新鮮な気持ちで読める作品ではないでしょうか。今後、クイズのテクニックも身につけた
識が、クイズ王に果たしてなれるのか。その辺りの描写が今後の注目ですね。


なお、この巻にも巻末に文蔵高校のクイ研ペーパークイズということで
全70問の問題が掲載されています。なかなか歯ごたえのある問題も多くあり
クイズ好きは、是非答えを見ずに解答してみることをおすすめします。


個人的評価(5段階) ★5

一巻の感想はこちらから





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