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2016/12/09  ふれるときこえる 4巻 [少年サンデーコミックス]




作者 本名ワコウ


触れると相手の声が聴こえる…一方通行の恋物語に決着。


前回の日記で、1巻の概要をレビューしたふれるときこえるの4巻です。
2・3巻をすっとばして、最終巻となるこの巻をレビューします。


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自分自身が触れた相手の心を声を聴けるという特殊な力を持ち
更に、自身が好きになってしまった相手にその力を感染してしまう
ことが出来る、ふしぎな少女・長永さとり。


親の仕事の都合で、転校を何度もしてきた彼女ですが
この特殊な力のために、今までひとりぼっちの孤独な状況に
絶えずおかれている状況だったのです。


しかし、今回の転校先であった泉澤噪のことが好きになり
彼女の力を感染してしまったことで、運命の歯車が回り始めます。


自分のことより、人のことを優先する噪に、さとりは最初から惹かれ
彼が、中学時代からの馴染みである結川にしか心が向いていなくても
彼女の片想いは続くのでした。


話が進むにつれ、結川と拓海、そして噪の関係は
実はそれぞれ一筋縄ではいかない状況であったことが明らかになります。


中学の途中から、噪と結川の間に転校生という形で入った拓海は
転校当初は、斜に構えた、一匹狼的雰囲気を漂わせていたのです。


拓海が、皆の輪に入っていけないことを見かねた噪が
拓海に、おせっかいを焼いたことから全てが始まったのです。
そして結川は、最初こそは噪が好きだったのだけれども、噪の
取り計らいがあって、拓海を好きになってしまったのでした。


お互いがお互いを思うあまりに、表面上仲が良くても
実は深層では、こじれた関係になっていたのがこの3人の関係だったのですね。


触れた人の心の声を聴けるようになってしまった噪は、それらの真実を知らず
間接的にではありますが、自分を含めた3人の関係が微妙にこじれてしまっていることを理解します。
そして、全ての発端は自分が言うべき時に言葉を飲み込み、取り繕ってしまったことが原因だったと気づきます。


その関係にケリをつけるべく、さとりの助力も借りながら
最終的に噪は、3人の関係がこじれた原因を取り除く行動…
つまり、結川に告白することになったのでした。


と、4巻かけて描かれていることを駆け足で書いてみましたが
ようは、力を得てしまった噪が成長していく姿を描いた作品で
やや変則的ではありますが、こういった話では王道的な話になると思います。


時に力を手に入れてしまったことで、より二人の心を知りたいと
暴走しかけたところを救ったのは、その力とずっと付き合ってきた
さとりであり、結川と比べるとマスコット的な存在となっているさとりも
主要な場面では、ドキッとするような魅力的な表情を魅せてくれます。


この力を持ったさとり自身も、噪に引っ張られる形での成長が描かれており
最後に登場した時は、ずっと前より大人びて描かれているのが、その
心の成長を意識して描いたということになるのでしょう。


クラスメイトを心の声を聴いて、本来やりたいことに導かせたりする
恋物語とは関係ない日常もありますが、こちらは本題ではないのか
1人のエピソードがあっただけで、その後はまたいつもの3人の話が主流です。


この物語自体の、当初の構想通りだったのか、アンケートなどの結果で
路線変更が少しあったのかは知る由もありませんが、もう少し
クラスメイトのそういった話があっても面白かったかな…とは思います。


また3巻後半からは、さとりの初恋の相手だった男子・司慎吾も登場。
最初は、さとりとまた関わりたいという、やや悪役的なキャラとして登場しますが
最終的に、彼は噪とさとりの仲を進展させるきっかけになっています。
最初の登場時の態度と、後半の態度が若干噛み合わないところがあり、チグハグな印象がありました。
もしかすると、作者が予定したのとは少し違う終わりになったのかもしれません。


全4巻という、ちょうどいい長さの作品となっており、冗長でも舌足らずでもない
綺麗にまとまっている作品だと思います。それに何と言っても
二人のヒロインである結川とさとりが魅力的に描かれているところはポイント高いです。


全巻通しても、早い人なら1時間程度で読める作品ですので
お手軽ながらも、読み応えのある恋愛漫画を求めている人には
オススメしたい一作ですね。


個人的評価(5段階) ★4

1巻の感想はこちらから




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