2016/10/26 藤原伯爵の受難 1巻

作者　青辺マヒト


藤原伯爵から見る、こじらせ姉とシスコンツンデレ妹のドタバタ日常コメディ。


藤原伯爵…とは、大層な名前のキャラクターですが、実は・・・


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タイトルにもある、藤原伯爵ですが、実は人間ではありません。
コミックの表紙の女の子の胸に入っている（羨ましい）ネコが、藤原伯爵です。
設定的に5歳の三毛猫の♂猫となります。


一般的な話ですが、三毛猫のオスというのは、実は非常に稀な個体だそうで
確率としては、こちらのページによりますと、30000匹に1匹の割合という
非常に貴重な個体になるということのようです。かんたんに言えば、三毛猫は
名前の通り、3色の毛を持つネコですが、その組み合わせになる遺伝子は
基本的にメスしかその配色にならないのだとか。


と、話が脱線しましたが、表紙に描かれている女の子は
藤原志津香（しづか）といい、志津香が子供の頃に拾ってきた
ネコが藤原伯爵となるのです。


それ以降、藤原家の一員として過ごしてきた藤原伯爵。
その藤原伯爵の視点で、主に物語は進んでいきます。


藤原志津香は現役女子高生…ではなく、引きこもりの不登校問題児。
毎日家に引きこもって、オタク生活をエンジョイしています。基本、ダメ人間ですね。


そして、藤原家にはもうひとり。対外的にはまともではあるものの
ちょっと困った顔を持った家族がもう一人。


それが、志津香の妹に当たる由芽子（ユメコ・通称ユメ）
中学2年生という多感な年頃ですが、家で引きこもっている
ダメ人間の志津香に対しては、表向き、非常に辛辣に対応します。


しかし、実は裏では重度と言っていいシスコンの顔を持ち
言動とは裏腹に、姉の志津香が大好きという、ツンデレの一面を持っています。
ただし、面と向かっては素直になれないので、いつも志津香にきつくあたるのです。


こんな個性的な姉妹に振り回される（まぁ、大体は志津香がトラブルメーカーなのですが）
藤原伯爵の受難とも言える、ゆるい日常ライフが展開されていきます。


志津香は引きこもりですが、ネット配信の生主（ネットで生配信を行う動画配信者）でもあり
その際は、シーズーというハンドルを使い、いわばネットアイドルとして活動もしています。
実は、昔女性アイドルグループのメンバーで芸能活動をしていた事実もあるのですが
そのことは隠して、ネット配信に勤しんでいるということにもなります。


主に志津香、伯爵の視点で物語は進みますが
志津香が引きこもりという設定上、サブキャラが少なめなのは
ちょっと物足りない気もしますね。


サブキャラとしては、ユメに密かに憧れている同級生の黒川ひろきや
ネット上でシーズーに喧嘩をふっかけてくる白蝶（はくちょう）などが登場します。
特に白蝶は、何かとシーズーの事をあれこれ詮索しているようなので
今後の、重要キャラ的位置も担う可能性がありそうです。


基本はギャグ・コメディというノリですが、たまに伯爵の視点からでの
人間の生き方に関する考察ですとか、若干哲学的なシリアス展開が
時折挟まれます。このあたりは好みではあるとは思いますが
個人的には、もっとギャグよりにしてもいいのではないかとも思いました。


伯爵が受ける受難については、そこまで非現実的なものはなく
なんというか、ペットであるが故の受難（晩ごはん抜きとか）で
妙に現実的なのも、ギャップがあって結構面白いとも思います。


総じて、ちょっとイタイ姉妹の少し変わったギャグコメディと言った感じで
可もなく不可もなくといったところですが、絵は新人漫画家にしては
きれいな部類で、藤原姉妹もカワイイと個人的には思います。


方向性が、もう少し定まれば安定の面白さもとれそうなので
続刊もチェックしていきます。


個人的評価（5段階）　★3

タグ：コメディ ギャグ 青辺マヒト 完結作品 講談社