SSブログ

2016/07/04 うつむく音はリンとして HERO個人作品集⑧ [ガンガンコミックスONLINE]



作者 HERO


堀さんと宮村くん…通称ホリミヤで有名になった
オンライン漫画家(?)である、HEROによる
短編作品を3作品収録した「うつむく音はリンとして」です。


オンライン漫画家と書いた通り、HEROは
ネット上に、自身の漫画を発表する個人サイト
読解アヘン」というサイトを公開しています。


絵柄は決して、ものすごく巧いとか、そういう訳ではないのですが
とにかく、主に思春期辺りの少年少女の心理描写が実に巧みな
漫画を描く人で、どことなくセピアがかった色あせた感じの素朴な絵柄が特徴的です。


現在は、本編は終了したものの、オマケが細々と更新されており
そのオマケが溜まってくると、ガンガンコミックからホリミヤのオマケとして
定期的に単行本が刊行されています。ホリミヤ本編は既に完結してますが
別の漫画家さんによる、絵柄を変えたリメイク作品が現在も連載中です。


それともう一つ、ガンガンコミックONLINEレーベルから
刊行されているのが、先に紹介した読解アヘン内で不定期に更新される
短編を3作品ずつ刊行しているものがあります。
その際は、収録短編のうち、一つがタイトルとなって刊行されています。


今回、取り上げますうつむく音はリンとしては、HEROの8冊目の短編集ということになります。
収録されているのは、タイトルのうつむく音はリンとして、くれない夕日のブラインド
そして、知らずのカゴは冷々との3作品。


正直、この短編集は本当は不要な本なのかもしれません。
なぜなら、先ほど紹介した作者の個人サイト・読解アヘンで
これらの話は、全て無料で読むことができるからです。


表題作のうつむく音はリンとしてのみ、単行本収録による
本編前の、いわばプロローグといったものが数ページ収録されていますが
果たして、それだけのために単行本をオススメできるかといえば…。
若干、厳しい物があると思います。


サイトに掲載されているオマケや、コマ割などが
単行本で変えられているわけでもありません。
正直、本という媒体で改めて読む必要があるのかどうか。


しかし、読解アヘンは当然画像主体のサイトなので
結構サイト全体が重かったりすることもあるのですよね。
読みたい作品が、すぐに読めないこともあったりします。
そういう意味では、紙媒体は手軽なので、本当に
HEROの作品が好きな人が、こちらの単行本を買うべきなのだと思います。


さて、前振りが長くなりましたが、この8冊目の短編集に収録されている
作品を簡単に紹介しますと…


うつむく音はリンとして…多感な少女2人の友情とすれ違いを描いた作品
くれない夕日のブラインド…コンプレックスに縛られた少女と克服した少年の交流を描いた作品
知らずのカゴは冷々と…いつまでも成長しない少年と少女を巡る怖くないホラー作品


単行本を買わずとも、読解アヘンにアクセスすれば
そちらで、全編見れますから、興味があったら読んでみると良いと思います。


で、私も読解アヘンでHEROの作品を定期的に読んでいるので
別に、単行本を買う必要は無いのですが、この短編集を買ったその理由は
二番目に収録されている、「くれない夕日のブラインド」が好きでしょうがないからです。


なので、このレビューもこの作品一本のレビューという形で紹介になりますが
話を簡単に説明すると、主人公である女子・咲口さんは自分のコンプレックスに
人一倍敏感に悩む、多感な少女。その咲口さんが市松くんという後輩の
男子生徒に出会って、徐々に徐々に変わっていくというストーリーです。


咲口さんは、極度のあがり症で、また表にその心の動揺が表れるタイプ。
緊張すると、顔が真っ赤になってりんごのように赤くなってしまう…。
あまりにも見事に真っ赤になるので、友達などからからかわれて来た…という過去を持ちます。


そのことが自分で、どうしようもなく嫌で、表情をさとられないように
一年中、大きなマスクをつけて過ごすようになってしまった…。
その結果、彼女は校内でもちょっとした有名人です。


人前で話したり、自己紹介したりするのが苦手な彼女。
新学年にあがったあとの、所属する委員会の顔合わせで
自己紹介をさせられるハメになります。
その原因を作ったのが、1年生の後輩男子・市松くん。


市松くんは、咲口さんと違って、物怖じしない性格。
一年生にも関わらず、委員会で自己紹介を提案してみたり
初対面である咲口さんに対してもフランクに話しかけてきます。


最初は、市松くんの態度を鬱陶しいと思っていた咲口さん。
しかし、とある出来事が起こり、後輩でなかなか顔を合わせる機会がないものの
徐々に市松くんと話すようになります。


そして、常にマスクをしている咲口さんを見て、市松くんが勘違いで
咲口さんの体調を気遣う発言をしたことから、咲口さんは市松くんに
惹かれていくようになります。そして、咲口さんは市松くんも
昔は、とあるコンプレックスを抱えていたことも知ります。


前編の最後らへんまで、話を書いてしまいましたが
後は、読解アヘンかこの単行本で是非続きを読んで欲しい作品です。


とにかく咲口さんかわいいんじゃあ!!
いやね。ほんと、マスク外したほうがずっとカワイイですよ。彼女。


というのが、私の感想です(笑)
なんというか、2人の関係が本当に微笑ましいのですよ。
もう、○○歳になったオッサンにとっては、まぶし過ぎます。(笑)


最終的には、咲口さんも自分のコンプレックスを克服したと思われます。
推測なのは、後日談を多く語っていないからですが、逆に想像を働かせる余地があり
多くを語りすぎていない所がいいんですよ。HEROの作品全般に言えるかもしれません。


というわけで、この単行本自体は個人的には強くオススメはしないものの
この一作品の収録があるということだけで、勢いで買ってしまった一冊です。
個人的な思い入れになりますので、評価は最高です(笑)
他の作品も、結構好きなのですが、この作品ばっかりこの短編集では見てしまいますね。


余談ですが、HEROは、私の地元・新潟にあるアニメ専門学校である
日本アニメ・マンガ専門学校の卒業生ということで、個人的に応援している漫画家です。
読解アヘンも、定期的に更新されているので、こちらの更新も単行本と共に情報を追って行くつもりです。


個人的評価(5段階) ★5


うつむく音はリンとして [ HERO ]
価格:730円(税込、送料無料)





nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:コミック

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

トラックバック 0

トラックバックの受付は締め切りました

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。